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監督:佐々部 清 出演:田中 麗奈 麻生 久美子 時間:118分 2007年作品 「公式サイト」 8.6 ヒロシマ原爆を題材にした物語。 今までと違うのは昭和20年8月6日を迎えて終わるのではなく、昭和20年8月6日から始まるということ。 厳密に言うと13年後。 戦争の傷痕も徐々に薄らいできたと思われる昭和33年が最初の舞台です。 ここでは原爆のトラウマを抱えながら生きる一人の女性がクローズアップされて描かれます。 自分はたまたま倉庫に荷物を取りに行っていて、同級生の殆どが運動場で死んだ中、ほとんど無傷(腕にケロイド程度)で済んでしまった。 妹も大火傷で、見つけて背負って帰る途中、自分の背中で息を引き取った。 父親は骨も見つからなかった。 母親は助かったもののひどい火傷で目も潰れている有様だった。 地獄を目に焼きつけ、耳に救いを求める声を残したままで、歩く度に瓦礫と死体の感触を覚え、自分が生き残った負い目を常に感じながら生きる日々。 そして、やっと幸福を受け容れられるところまで来た時に原爆症であっという間に亡くなってしまう。 死ぬ前に遺す言葉は軽やかなのにとても言葉が重くのしかかります。 原爆の爪痕は昭和33年を過ぎてもまだ続きます。 被爆者と結婚してできた子供は被爆二世と言われます。 今度はその被爆二世の女性の話に移ります。 父と母が結婚するに至るまでにどれだけの葛藤があったか、それと同じ葛藤を現在弟が味わっているという事実、そして自分もいつ遺伝で原爆症が表に出るのかという不安と戦わなきゃならない不安。 入市被爆のせいで放射能は患者と一緒にいるだけで伝染るという偏見が生まれたり、被爆者は短命だからとか遺伝で子供に影響が出るからと、恋愛や結婚では随分と差別もあったらしく。 原爆の死の連鎖はどこまでもどこまでも延々と続いていくのだ。 違う切り口で見た原爆の映画、めちゃくちゃ泣きました。 悲惨なシーンはどこにもないのですが、心にがつんと来て、ラストまで見ると声をあげて泣きたい感覚に襲われます。 ヒロシマの描き方もめちゃくちゃ丁寧でした。 広島弁を大切に役者さんたちが口にしてくれたことが何よりもリアルを与え、映画を本物にしてくれたのだと思います。 8.6を学ぶには最良の映画です。是非是非ご覧になってくださいませ。 |
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